1: :2016/11/28(月) 17:39:51.90 ID:
この夏、都立高の水泳授業で起きた事故が教育界に衝撃を与えた。
約1メートルの高さのデッキブラシを越えて飛び込むように体育教師から指示された3年の男子生徒が水深1・1メートルのプールの底に頭を打って大けがを負ったのだ。
「考えられない指導法だ」。日本スイミングクラブ協会専務理事の渋谷俊一氏は憤りをあらわにする。
日本スポーツ振興センターによると、平成17年度から27年度までの11年間で学校管理下の水泳の死亡事故は溺死も含めて20件。不慮の事故は後を絶たない。
一方で、学校教育における水泳授業の優先度は低下を続ける。都心には、専用のプールがなく、林間学校などでプール授業を補う小学校もある。水を怖がって顔をつけられない児童は珍しくない。
「学校の授業から水泳が外れ、泳ぎたくても泳げない子の行き場がなくなっている」と渋谷氏は話す。
□ □
「いち、にぃ、腕を大きく回して!」。先生のかけ声で水面に小さな体を投げ出したのは未就学の子供たち。泣き出す子はいない。
関東を中心に7校、約2千人の園児が学ぶバディスポーツ幼稚園。跳び箱やボール競技、おむつが取れたら水泳授業も実施する。世田谷校には水深70センチ、約10メートルの室内プールを完備。「卒園時には全員が泳げるようになる」と同園。毎年キャンセル待ちの状態だ。
5歳の息子を通わせる東京都世田谷区の三枝明佳さん(34)は「プールに入ると、泳げるように懸命に頑張る。精神面も強くなっている」と目を細める。
スイミングスクールは、1964年東京五輪でメダル1個に終わった惨敗を受けて各地に誕生。少子化に伴い数は減少したが、早期教育の中でも昨今のママが熱をあげる。リクルートマーケティングパートナーズが運営する「ケイコとマナブ」の「2016年子供の習い事ランキング」によると、水泳が44・9%で3年連続トップだった。1人当たりの習い事合計額は月平均1万4670円。
泳げる子と泳げない子。スイミングスクール人気の陰で二極化が進む。「学校頼み」では取り残されかねず、親は「泳げない大人になってしまう」と焦る。
「スクール通いを続けさせていれば…」。千葉県市川市在住の母親(39)もそのひとり。娘が幼稚園の頃に短期のスイミングスクールに通わせた。「水の事故に遭っても自分の命を守れる」との親心だったが、泳ぎへの関心が薄れ、長続きしなかった。
小学6年になった娘は今、ビート板を使って5メートル進める程度。気づいたら、クラスでも泳げない“仲間”に入っていた。
□ □
「もともと水泳授業は安全指導の域であり、必ず50メートルを泳げるようにしなければ、というものではない」
>>2以降に続きます
2016.11.28 09:02
http://www.sankei.com/sports/news/161128/spo1611280004-n1.html
約1メートルの高さのデッキブラシを越えて飛び込むように体育教師から指示された3年の男子生徒が水深1・1メートルのプールの底に頭を打って大けがを負ったのだ。
「考えられない指導法だ」。日本スイミングクラブ協会専務理事の渋谷俊一氏は憤りをあらわにする。
日本スポーツ振興センターによると、平成17年度から27年度までの11年間で学校管理下の水泳の死亡事故は溺死も含めて20件。不慮の事故は後を絶たない。
一方で、学校教育における水泳授業の優先度は低下を続ける。都心には、専用のプールがなく、林間学校などでプール授業を補う小学校もある。水を怖がって顔をつけられない児童は珍しくない。
「学校の授業から水泳が外れ、泳ぎたくても泳げない子の行き場がなくなっている」と渋谷氏は話す。
□ □
「いち、にぃ、腕を大きく回して!」。先生のかけ声で水面に小さな体を投げ出したのは未就学の子供たち。泣き出す子はいない。
関東を中心に7校、約2千人の園児が学ぶバディスポーツ幼稚園。跳び箱やボール競技、おむつが取れたら水泳授業も実施する。世田谷校には水深70センチ、約10メートルの室内プールを完備。「卒園時には全員が泳げるようになる」と同園。毎年キャンセル待ちの状態だ。
5歳の息子を通わせる東京都世田谷区の三枝明佳さん(34)は「プールに入ると、泳げるように懸命に頑張る。精神面も強くなっている」と目を細める。
スイミングスクールは、1964年東京五輪でメダル1個に終わった惨敗を受けて各地に誕生。少子化に伴い数は減少したが、早期教育の中でも昨今のママが熱をあげる。リクルートマーケティングパートナーズが運営する「ケイコとマナブ」の「2016年子供の習い事ランキング」によると、水泳が44・9%で3年連続トップだった。1人当たりの習い事合計額は月平均1万4670円。
泳げる子と泳げない子。スイミングスクール人気の陰で二極化が進む。「学校頼み」では取り残されかねず、親は「泳げない大人になってしまう」と焦る。
「スクール通いを続けさせていれば…」。千葉県市川市在住の母親(39)もそのひとり。娘が幼稚園の頃に短期のスイミングスクールに通わせた。「水の事故に遭っても自分の命を守れる」との親心だったが、泳ぎへの関心が薄れ、長続きしなかった。
小学6年になった娘は今、ビート板を使って5メートル進める程度。気づいたら、クラスでも泳げない“仲間”に入っていた。
□ □
「もともと水泳授業は安全指導の域であり、必ず50メートルを泳げるようにしなければ、というものではない」
>>2以降に続きます
2016.11.28 09:02
http://www.sankei.com/sports/news/161128/spo1611280004-n1.html
4: :2016/11/28(月) 17:41:26.86 ID:
>>1の続き
スポーツ庁政策課学校体育室は説明する。学習指導要領にも具体的な数値目標はない。小学校の教員採用試験で水泳の実技は現在、東京、神奈川など15の都府県で行われていない。
親や子供からは水泳授業の増加を求める声が根強くあるが、岐阜大学教育学部が26年にまとめた研究報告は、採用試験での「実技廃止」が教員の泳力低下を通じて水泳の指導力に影響を及ぼすと指摘した。
親の経済格差や指導できる教師の不足が、「命を守る」という子供の危機管理能力を脅かす。
水泳指導の第一人者でもある渋谷氏は「水泳の授業を民間のスクールに委託するなど指導をプロに任せてはどうか」と提言する。
◇
過保護な大人が嫌うスポーツ
「親に入部を勧めても、『いやいや、うちの子なんか…』と返される。大人の側に相当フィルターがかかっている」
出雲高(島根県)ラグビー部の勝部寛明監督は、保護者に染みついたラグビーへの負の印象を嘆く。
県内には15人制ラグビーの大会に単独で出場できる高校が2校のみ。県予選初戦がいきなり決勝という状況が12年も続く。他県も深刻で福井、高知、佐賀でも3チームにとどまった。
11月3日、その島根で全国大会出場を懸けた予選決勝が行われ、出雲高は昨年度全国4強の石見智翠館高に0-153で大敗し、26年ぶりの全国切符を勝ち取れなかった。
「歴史的勝利」といわれたワールドカップ(W杯)イングランド大会での日本代表の快進撃から1年余り。ラグビー人気の復活は限定的で、地方にはその機運すらない。
出雲高ラグビー部の天野泰輔コーチが理由に挙げるのが、けがのリスクを忌避する風潮だ。「体験入部で楽しんでも、最終的に『けがをするんでいいです』と拒否される」。少子化の影響で親が過保護になっているという指摘もある。
全国高体連がまとめた平成27年度の競技別登録人数をみると、陸上、競泳、バドミントンなどは10年前より増加。いずれも接触プレーによるけがのリスクが低い。一方、ラグビーは2万3146人で、10年前から6千人以上も減っている。
□ □
格闘競技である柔道の競技人口も減少が続く。
27年度の高校の登録人数は2万1735人。10年前の6割程度にまで落ち込んだ。講道館道場指導部の向井幹博課長は「近年は4~6歳の幼児クラスから少年部(小学生クラス)に上がる際、半分近くがやめてしまう」と話す。
スポーツ庁政策課学校体育室は説明する。学習指導要領にも具体的な数値目標はない。小学校の教員採用試験で水泳の実技は現在、東京、神奈川など15の都府県で行われていない。
親や子供からは水泳授業の増加を求める声が根強くあるが、岐阜大学教育学部が26年にまとめた研究報告は、採用試験での「実技廃止」が教員の泳力低下を通じて水泳の指導力に影響を及ぼすと指摘した。
親の経済格差や指導できる教師の不足が、「命を守る」という子供の危機管理能力を脅かす。
水泳指導の第一人者でもある渋谷氏は「水泳の授業を民間のスクールに委託するなど指導をプロに任せてはどうか」と提言する。
◇
過保護な大人が嫌うスポーツ
「親に入部を勧めても、『いやいや、うちの子なんか…』と返される。大人の側に相当フィルターがかかっている」
出雲高(島根県)ラグビー部の勝部寛明監督は、保護者に染みついたラグビーへの負の印象を嘆く。
県内には15人制ラグビーの大会に単独で出場できる高校が2校のみ。県予選初戦がいきなり決勝という状況が12年も続く。他県も深刻で福井、高知、佐賀でも3チームにとどまった。
11月3日、その島根で全国大会出場を懸けた予選決勝が行われ、出雲高は昨年度全国4強の石見智翠館高に0-153で大敗し、26年ぶりの全国切符を勝ち取れなかった。
「歴史的勝利」といわれたワールドカップ(W杯)イングランド大会での日本代表の快進撃から1年余り。ラグビー人気の復活は限定的で、地方にはその機運すらない。
出雲高ラグビー部の天野泰輔コーチが理由に挙げるのが、けがのリスクを忌避する風潮だ。「体験入部で楽しんでも、最終的に『けがをするんでいいです』と拒否される」。少子化の影響で親が過保護になっているという指摘もある。
全国高体連がまとめた平成27年度の競技別登録人数をみると、陸上、競泳、バドミントンなどは10年前より増加。いずれも接触プレーによるけがのリスクが低い。一方、ラグビーは2万3146人で、10年前から6千人以上も減っている。
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格闘競技である柔道の競技人口も減少が続く。
27年度の高校の登録人数は2万1735人。10年前の6割程度にまで落ち込んだ。講道館道場指導部の向井幹博課長は「近年は4~6歳の幼児クラスから少年部(小学生クラス)に上がる際、半分近くがやめてしまう」と話す。
5: :2016/11/28(月) 17:41:52.78 ID:
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俺泳げねー